2016年1月2日(土)鳥取県米子市のイオン米子駅前店で、江府町の鳥取県指定重要無形民俗文化財「下蚊屋(さがりかや)荒神神楽保存会明神社」の神楽公演が行われました。
毎年恒例の神楽で、11時と14時からの二回、約30分間に短縮した神楽が行われます。
申年に猿田彦大神
2016年は申年ですが、例年は舞われることのない猿田彦大神の舞が特別に舞われました。
神事舞であり邪魔外道を斬り祓う勇壮な舞です。
天狗のような鼻の高い赤い面に白い髪と髭。
両手に扇子を持って舞い出します。
鳥取県日野郡では、猿田彦大神の衣裳は白です。
太刀にて東西南北と中央を斬り祓います。
八重垣能(やえがきのう)
スサノオノミコトのヤマタノオロチ退治の演目です。
本来は一時間半くらいある演目ですが、この日は20分程度に短縮されています。
スサノオノミコトが舞い出します。
大国主命と並んで、もっとも豪華な衣裳です。
クシナダヒメはテナヅチ、アシナヅチの息女です。
7人の姉は、すべてヤマタノオロチに食べられてしまい、今年はクシナダヒメの番であると両親は嘆き悲しんでいます。
スサノオノミコトはクシナダヒメを嫁に娶ることを条件に、ヤマタノオロチ退治を約束します。
スサノオノミコトは八雲立つ31文字の神歌を詠み聞かせ、祝言となります。
スサノオノミコトが戦いの前の舞いを舞うと、ヤマタノオロチが現れました。
本来は松尾明神の酒造りがあるのですが、この日は短縮版なのでカットされています。
今回は室内なので無かったのですが、屋外の場合などはドライアイスの霧が出たり、ヤマタノオロチが火を吹いたりします。
素面(面をつけないこと)で軽装になったスサノオノミコトがヤマタノオロチと戦います。
神話では十握(とつか)の剣で戦いますが、神楽では日本刀です。
一進一退の激しい攻防です。
酒を飲んで酔っていてなおヤマタノオロチは獰猛です。
ヤマタノオロチの首が獲られました。
ヤマタノオロチは討ち獲られ、尾からアメノムラクモノツルギが出てきました。
スサノオノミコトはその剣を天照大神に捧げて幕となります。
大国主命が福の種をまく
八重垣能が終わると、続いて大国主命が舞い出しました。
国造りの大神であり、座長クラスが舞う特別な舞で、ゆったりと大きく艶やかな舞です。
下蚊屋荒神神楽保存会では、小椋副会長が舞います。
福の種がまかれ、観衆は大喜びでした。
写真は割れんばかりの拍手の中で退場する様子です。
記念撮影をしました。
下蚊屋荒神神楽保存会明神社小椋会長と徳林会長と柏平副会長。
日野郡でもっとも古いと伝わる下蚊屋荒神神楽保存会明神社の神楽は、素朴ですばらしい神楽です。
来年も見に行きますよ!