出雲神楽の源流である佐陀神能「手草」「八重垣」の大蛇退治の結末に驚いた夜2015

2015年6月6日(土)島根県松江市鹿島町の佐太神社で行われた佐陀神能特別定期公演で、演目「手草(たくさ)」「八重垣(やえがき)」を視察しました。

出雲流神楽の源流

佐陀神能は佐太神社の御座替祭(ござがえさい)にあわせて執り行われるもので「七座神事」「式三番」「神能」の三つの神事舞を総称したものです。

古くから行われているこの神事舞の形式は、出雲流神楽の源流として、日本全国の里神楽に影響を与えたと言われています。

神社の祭事に能形式の神楽を奉納するのは全国的にも他に類を見ないものであり、その形式は芸能史的に高い価値を持ちます。

国指定重要無形民俗文化財であり、平成23年にはユネスコ無形文化遺産リストに登録されています。

出雲造りの本殿が三つ並び建つ出雲国三大社にして出雲国二ノ宮の神在の社

佐陀神能が行われる佐太神社は、出雲国風土記に「カンナビヤマの麓に座す」佐太大神社(さたのおおかみのやしろ)または佐太御子社(さたのみこのやしろ)と記されており、延喜式では出雲国二ノ宮とされ、出雲国三大社の一つとして「佐陀大社」と称えられた神社です。

荘厳な出雲造りの本殿が三つ並び、国指定重要文化財となっています。

佐太大神をはじめ十二柱の神々を祀る

佐太神社の主祭神は佐太大神で、猿田彦の神と同神であり「導きの神」とされています。

また、八百万の神々がお集まりになる神在祭は出雲国の神社で行われているものの中でも、文献上もっとも古く、なおかつ祭の形態も古い形を伝えており、神在の社として全国から広く信仰を集めています。

かぐけんからは六名が参加

今回の視察では、徳林会長、柏平副会長、景山ムル、亀山直也、亀山真也、ノリさんの六名が参加しました。

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佐陀乃だんだん家のすましぜんざい

佐太神社の鳥居の前には、喫茶と手作り雑貨の店、佐陀乃だんだん家があります。

今回の待ち合わせ場所はここでした。

そして、名物のすましぜんざいをいただきました。

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佐太神社のお供え餅がぜんざいの起源!?

日本全国から八百万の神々が出雲に集まる神在月、佐太神社の裏山には母神イザナミノミコトの御神陵があります。

イザナミノミコトの御命日にあたる旧暦10月に母神を慕って神様が集う佐太神社の神在祭は「お忌みさん」と呼ばれ、11月20日から25日まで行われる祭の後に、お供えの餅と小豆をいただいたのが「ぜんざい」の起源と伝わっています。

神在(じんざい)が、出雲ズーズー弁で訛って、「ぜんざい」として全国に広まったのだそうです。

出典:佐陀乃だんだん家より

かがり火の中で荘厳に執り行われる神事舞

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20時になり太鼓と笛が鳴り響き、佐陀神能がはじまりました。

榊と鈴の手草の舞

この日はふたつの演目が行われたのですが、まずは七座神事の中から手草が舞われました。

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鈴と榊を手に二人で舞います。

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七座神事は、佐太神社御座替祭で敷きかえる本殿の茣蓙を清めるために執り行われる神事舞で、剣舞、散供(さんぐう)、清目、御座、勧請、八乙女、手草の七座です。

舞によって剣、榊、茣蓙、小幣、大幣、鈴等の採物(とりもの)を手に持って舞われます。

能の動きを含んだ舞は独特なもので、すり足や足踏み、袖を巻く所作など見るべきところが多くありました。

神能 八重垣

慶長13年(1608年)に佐太神社の神職が京都に行き、当時流行っていた猿楽、幸若などの形式を用いて出雲神話や地域伝承を題材にして創作したのが神能です。

十二段(中絶しているものが三段)と番外の二段が継承されています。

神能「八重垣」はスサノオノミコトのヤマタノオロチ退治の神話を題材とした演目です。

臣の奏仁が大蛇退治の前段を語る

まずはスサノオノミコトの従者であり臣である奏仁が舞いだし、スサノオノミコトが出雲の国斐伊川に天降り、テナヅチ、アシナヅチ、クシナダヒメと出会い、ヤマタノオロチに娘であるクシナダヒメを差し出さなければならないことを聞き、大蛇退治をすることになったという物語を語ります。

そして八重垣を造り、クシナダヒメをその中に移し、その前に毒酒を置いて、スサノオノミコトはヤマタノオロチを待ち構えます。

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大蛇退治は衝撃的な結末

ヤマタノオロチが現れ、毒酒を飲んで倒れます。

スサノオノミコトはヤマタノオロチを起こしますが、なんと戦うのは奏仁です。

スサノオノミコトは座って戦いを見守ります。

手負いのヤマタノオロチと、槍を振るう奏仁の激しい攻防が続きます。

そしてヤマタノオロチと奏仁が膠着状態になっているとき、スサノオノミコトはおもむろに腰の剣を抜き、後ろからヤマタノオロチをめった斬りにします。

後ろからかよ!?

はっきりいって卑怯です。

石見神楽や備中神楽のスサノオノミコトは勇壮にヤマタノオロチと戦い討ち取りますが、佐陀神能のスサノオノミコトは後ろからそっと忍び寄ってめった斬りです。

はじめて見る人は、みんなびっくりする衝撃的な結末です。

動画でご覧下さい!

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