大国主命のうちでのこづちについての考察

恵比寿大国

大国主命のうちでのこづちはなぜ?

大国主命は弥生時代以前の古代の神とされますが、備中神楽では頭巾に狩衣と袴、陣羽織を羽織っています。

これは江戸時代末期から明治のはじめ頃に、大黒様の衣装として派手になったもので、往古は違ったものだったと思われます。

そして、左手にうちでのこづちを持っていますが、これはおかしいと思われる方も多いと思います。

シヴァ神の化身大黒天と大国主命が習合

大黒様とはインドのシヴァ神の化身であるマハーカーラ(大黒天)が密教の神として日本に伝来し、だいこくという音が同じことで大国主命と習合し、憤怒の相を持つ破壊と豊穣の神となりました。

室町時代に大国主命の民間信仰によって微笑みの相になり、江戸時代になると米俵に載った長者姿で、うちでのこづちと大きな袋をかつぐようになりました。

隠れ蓑、隠れ笠と並ぶ伝説の宝

さて、うちでのこづちですが、振るとさまざまなものが出てくる伝説上の槌で、古来より隠れ蓑、隠れ笠と並ぶ宝物とされています。

その歴史は源平時代より古く、もともとは鬼の持ち物であると伝えられていて、一寸法師や桃太郎のおとぎ話で、退治した鬼の宝の代表的なものともされています。

うちでのこづちは鉄を打ち出す?

ここからは推論ですが、桃太郎などが戦う鬼は山でたたら製鉄を行う鉄の民であり、さまざまなものを振り出すうちでのこづちは、鉄を打ち出す鍛冶屋の槌ではないかと思うのです。

つまり、鬼退治とは鉄の民を支配下に置くことであり、それによって富を得ることだったのではないかと思います。

大国主命は鉄を支配し、鉄器による水田稲作の効率化によって食糧生産を増やし、それによって人口を増やしながら葦原中津国を平定したのだと考えていますが、そう考えると大国主命がうちでのこづちを持っているのも、ある意味当然かもしれないと考えたりするのです。

ちなみに備中神楽の大国主命のうちでのこづちは、逆手に持つと敵を打ち砕く広矛の剣になります。

国譲りの演目では、天照大神の勅使として国を譲るように要請するフツヌシ、タケミカヅチの両神とうちでのこづちで戦います。

なんだか、かっこいいですね。

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